01 ── はじめに
そのサーバー、攻撃されたら誰が守りますか
社内の書類やデータを、どこに置くか。「オンプレミス(自社サーバー)」か「クラウド」か。この話題は何年も前から語られてきました。
これまでの比較は、たいてい費用と使い勝手の話でした。ただ、ここ数年でいちばん大きく変わったのは、「攻撃されたとき、誰が守るのか」という問いの重さです。
今日は、まずオンプレミスとクラウドの一般的な違いを整理し、そのうえで、私たちサガスがクラウド、なかでも Google を選んでいる理由をお話しします。

02 ── そもそもの違い
オンプレミスとクラウド、何が違うのか
まずは一般論です。5つの観点で並べると、こうなります。
| オンプレミス(自社サーバー) | クラウド | |
|---|---|---|
| 初期費用 | サーバー機器や構築の費用がかかる | 小さく始められる |
| 維持費 | 保守契約、電気代、置き場所、数年ごとの入れ替え | 月額や年額の利用料(サブスクリプション) |
| 設計の自由度 | 高い。自社の都合に合わせて組める | サービスの仕様の範囲で使う |
| 拡張性 | 機器の性能と容量が上限 | 費用に応じて、ほぼ上限なく広げられる |
| 社外からのアクセス | VPNなどを用意すれば使える | はじめから、どこからでも使える |
オンプレミスの強みは、なんといっても設計の自由度です。ただ、そのぶん機器を買い、維持し、いずれ入れ替えるところまで、すべて自社で抱えることになります。
そして、この表には入っていない、いちばん大事な項目があります。守るのは誰か、です。
03 ── 狙われる入口
「外からつなぐ入口」が、いちばん狙われている
先ほどの表で、オンプレミスでも「VPNなどを用意すれば、社外から使える」と書きました。実は、そのVPNこそが、いまいちばん狙われている入口です。
警察庁が2026年9月に公表した統計(2026年上半期)では、ランサムウェアの被害について、こう報告されています。
- 被害の報告件数は123件。半期としては、統計を取りはじめてから過去最多
- そのうち中小企業が79件。狙われているのは大企業だけではない
- 侵入の入口はVPN機器が約5割で最多
- 復旧にかかった費用は、約6割が1,000万円以上
社外から自社サーバーにつなぐために置いた機器が、そのまま攻撃者の入口になっている。オンプレミスを外から使うしくみそのものが、守るべき場所を増やしているのです。
04 ── 昨年の実話
止まったのは、サーバーではなく「受注」だった
2025年9月29日。アサヒグループホールディングスで、ランサムウェアによるシステム障害が起きました。同社の公表と報道によれば、経過はこうです。
- 攻撃者は、グループ内の拠点にあるネットワーク機器を経由して、データセンターのネットワークに侵入した
- 侵入は障害が起きる約10日前。その間に社内を探索され、9月29日の早朝に一斉に暗号化された
- 国内グループ各社の受注・出荷が止まり、電話などを使った手作業での受注を余儀なくされた
- システムでの受注・出荷の再開は12月から。物流全体の正常化は2026年2月を目指すと発表された
- 個人情報は、191万件を超える流出のおそれがあると公表された(2025年11月時点)
日本を代表する企業でさえ、一度入り込まれると、ここまで止まります。そして止まったのは「サーバー」という機械ではなく、注文を受けて、商品を届けるという仕事そのものでした。
これは決して、大企業だけの話ではありません。先ほどの統計のとおり、被害の多くは中小企業です。私たちが毎日お付き合いしている、FAXで注文を受けて出荷する会社にとっても、まったく同じことが起こりえます。

05 ── イタチごっこ
自社のサーバーを、自社だけで守り続けられますか
オンプレミスで自社サーバーを運用している場合、守りもすべて自社の仕事です。具体的には、こんな作業が終わりなく続きます。
- サーバーやVPN機器に見つかる弱点(脆弱性)の情報を、毎日追いかける
- 修正プログラムが出たら、業務を止めないように時間を選んで当てる
- 怪しいアクセスがないか、記録を見張る
- いざというときに戻せるよう、バックアップを取り、本当に戻せるか確かめておく
- 担当者が休んでも、辞めても、同じ水準で続ける
攻撃する側は、新しい手口を次々に繰り出してきます。守る側は、それを後から追いかけるしかありません。まさにイタチごっこです。
情報システムの担当が一人か二人、あるいは総務と兼任。そういう会社が、この防御線をいつまで張り続けられるのか。私たちがお客さまと話していて、いちばん多く聞くのが、この疲れと不安です。
06 ── 守りの分担
Google が守るもの、私たちが一緒に守るもの
クラウドにすると、この守りの多くを、サービスを提供する側が引き受けてくれます。私たちが扱っている Google Workspace(Gmail、Google ドライブなど)でいえば、こうです。
Google が守るもの
- データセンターの建物と設備
- サーバーやネットワークの機器そのもの
- ソフトウェアの更新。利用者が何もしなくても、自動で最新に保たれる
- 攻撃の監視と防御。専任のチームが、昼夜を問わず張りついている
ただし、クラウドにすれば何もしなくていい、というわけではありません。使う側に残る仕事もあります。
使う側が守るもの
- パスワードと2段階認証
- どのフォルダを、誰に共有するか
- 退職した人や、使わなくなったアカウントの整理
この分担は、クラウドの世界では「責任共有」と呼ばれる考え方です。使う側に残るのは、機械の守りではなく「人と権限」の設定だけ。ここは、Google Cloud Partner である私たちサガスが、導入のときから一緒に整えます。
07 ── 費用の見方
クラウドの月額料金は、本当に高いのか
クラウドの話をすると、「毎月払い続けるのは高くつく」という声をいただきます。ただ、比べる相手は「サーバー本体の値段」ではありません。オンプレミスで実際にかかっているのは、こうした費用の合計です。
- サーバーや周辺機器の購入費
- 保守契約の費用
- 電気代と、置き場所
- 数年ごとの機器の入れ替えと、そのたびのデータ移行
- VPN機器やセキュリティ製品の費用
- そして、守り続けるために使っている担当者の時間
月額の利用料には、機器の維持も、入れ替えも、日々の防御も含まれています。そう考えると、決して高い買い物ではない、というのが私たちの実感です。
08 ── 私たちの考え
私たちが、クラウドの中でも Google を選ぶ理由
ここからは、私たちの考えとしてお読みください。
私たちが Google を選んでいるのは、世界中の膨大な数の人が毎日使っている仕組みを、Google 自身が専任のチームで守り続けているからです。
- 守りに、自社では到底まかなえない規模の人と技術が注がれている
- 更新が自動で、利用者が「当て忘れる」ということが起きない
- Gmail、Google ドライブなど、仕事の道具がひとつの仕組みの中でつながっている
自社のサーバーを、自社だけで守り続ける時代は、もう終わりに近づいている。私たちは、そう考えています。

09 ── 書類のサーバーも
書類のためのサーバーも、もう持たなくていい
最後に、私たちの本業の話を少しだけ。
「複合機でスキャンした書類や受信したFAXを、社内のファイルサーバー(NAS)に保存している」。多くの会社で見かける形ですが、これもオンプレミスです。ここまでお話ししてきた守りの手間が、書類の置き場所にもそのままかかっています。
G DOCK は、複合機やFAXから届く書類の保存先を、最初から Google ドライブにします。
- いまお使いの複合機の、スキャンの宛先とFAXの転送先を変えるだけ
- 書類のためのサーバーを、新しく置く必要はない
- AIを足せば、中身を読んで名前をつけ、フォルダに仕分けるところまで自動に
実際に、全国50拠点・複合機150台の企業さまでは、サーバーを1台も増やさずに、すべての拠点の書類をひとつにまとめています。→ 導入事例を見る(大規模処理向けカスタマイズ)
FAXだけを紙から離したい場合は G DOCK Cloud Fax、スキャンもFAXもAIに仕分けさせたい場合は G DOCK AIファイリング をご覧ください。
出典:警察庁「令和8年上半期におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について」(2026年9月公表)/アサヒグループホールディングスの公表(2025年9月29日・11月27日)および各社報道
※ Google、Gmail、Google ドライブ、Google Workspace は Google LLC の商標です。
そのサーバー、そろそろ手放しませんか。
書類の置き場所を、いまの複合機のまま Google ドライブへ。サーバーを持たない形への移り方から、ご相談に乗ります。
