2026年10月29日、富士フイルムビジネスイノベーションの新しい複合機「Apeos C7072シリーズ」が発売されました。目玉は、複合機にクラウドの機能を組み込んだ「Apeos Cloud Extension」です。スキャンした書類や受信したFAXをクラウドに保存し、ファイル名も自動でつけてくれます。
複合機でスキャンした書類を、クラウドで、名前をつけて整理する。これは、私たちサガスの G DOCK が Google のクラウドの上で取り組んできたことでもあります。
では、何が違うのか。公開されているマニュアルと仕様をもとに、G DOCK だからできることを、わかりやすい順に5つお伝えします。

まず結論から
Apeos Cloud Extension と G DOCK の比較表
Apeos Cloud Extension と G DOCK のいちばんの違いは、スキャンした書類のファイル名のルールを御社が自由に決められるか、そして書類の保存先が複合機のクラウドか、御社の Google ドライブか、という点です。主な違いを表にまとめました。くわしくは、02から一つずつご説明します。
| 比較項目 | Apeos Cloud Extension(富士フイルム) | G DOCK(サガス) |
|---|---|---|
| スキャンした書類のファイル名 | 日付・1ページ目のタイトルなど、用意された部品を組み合わせる | AIが中身を読み、御社が決めた項目と順番で名前をつける |
| 書類を見られる人 | 基本は複合機ごとの共通パスワード。利用者ごとのログインは拡張サービスで対応 | Google アカウントごとに、フォルダ単位で決められる |
| 見られる場所・端末 | 基本は社内ネットワークの Windows パソコン。社外からは拡張サービスで対応 | 許された人なら、社内でも社外でも、パソコンでもスマホでも |
| 使える複合機 | 新しい Apeos(C7072シリーズ) | メールで送信できる複合機・FAX・スキャナ(原則メーカーを問わない) |
| クラウドの保存先 | 富士フイルムのクラウド(他社クラウドは OneDrive for Business に対応) | 御社の Google ドライブ |
| 保存容量 | 複合機1台あたり10GB | Google Workspace のプランで増やせる |
| 複合機を手放したときの書類 | 利用権がすべて切れると、猶予期間の後にテナントが削除される | 書類は Google ドライブに残る |
※ 最新の内容は各社にご確認ください。キヤノン系のサービスも含めた3社の比較は「複合機にAIがやってきた」をご覧ください。
01 ── Apeos Cloud Extension とは
複合機に、クラウドの機能がついてきた
Apeos Cloud Extension は、新しい Apeos でスキャンした書類や受信したFAXを、富士フイルムのクラウドに保存するサービスです。保存した書類は、ブラウザーで開く「Apeosクラウドフォルダー」で見たり整理したりします。
本体に7年分の「基本」が含まれ、複数台での共有や社外からの閲覧などは、1台ごとに買い足す「拡張」で使えるようになります。レシートをまとめてスキャンして1枚ずつのファイルに分ける機能など、スキャンそのものを便利にする工夫もそろっています。
02 ── 名前のつけ方
スキャンした書類の「名前のつけ方」を、御社が決められる
G DOCK のいちばんの強みは、スキャンした書類やFAXにつけるファイル名のルールを、御社の仕事に合わせて自由に決められることです。
Apeos Cloud Extension のファイル名は、日付と、書類の1ページ目から読み取ったタイトルなど、用意された部品を組み合わせてつくります。G DOCK では、AIが書類の中身を読み、「誰から・いつ・何の書類か」を、御社が決めた順番と項目で名前にします。
| 書類 | ファイル名 |
|---|---|
| いままで | scan_20260915_103244.pdf |
| 請求書 | 請求書_株式会社〇〇商事_2026-09-15_385,000円.pdf |
| 見積書 | 見積書_△△工業株式会社_2026-09-12_社用車リース.pdf |
| 納品書 | 納品書_□□物流_2026-09-10_No.4471.pdf |
書類の種類も、請求書や見積書に限りません。ある卸売企業さまでは、受信した注文書のFAXに「注文元_発注日_商品名_数量_金額」という名前をつけています。ファイルを開かなくても、名前を見るだけで受注の中身がわかります。
AIの答えは、毎回少しずつ揺らぐ
AIを使ったことがない方には意外かもしれませんが、AIは同じ書類を読んでも、毎回まったく同じ答えを返すとは限りません。日付の書き方が変わったり、取引先名の「株式会社」が入ったり抜けたりします。富士フイルムのマニュアルにも、生成AIの読み取り結果は同じ書類でも違いが出ることがある、と注意書きがあります。
だからこそ大事なのが、「何を、どの順番で、どんな書き方で名前にするか」を、はっきり決めておくことです。G DOCK では、サガスが御社の実際の書類を見ながらこのルールを一緒に決め、動かしてみて揺らぎが出たところを調整していきます。判断がつかなかった書類は「その他」フォルダに入るので、見落としません。

03 ── 見られる人と場所
見られる人を、人ごとに決められる。見られる場所は、どこでも
G DOCK でスキャンした書類は、御社の Google ドライブに届きます。だから、誰がどのフォルダを見られるかを、Google アカウントごとに細かく決められます。
- 人ごと・部署ごと・拠点ごとに分けられる:経理の書類は経理の人だけ、拠点の書類はその拠点と本社だけ、という線引きが、いつもの Google ドライブの共有設定でできます
- 人数は必要なだけ:使う人が増えたら、Google アカウントを増やすだけです
- 場所も端末も選ばない:見ることを許された人なら、会社のパソコンでも、自宅の Mac でも、外出先のスマホでも、同じ書類を開けます
Apeos Cloud Extension の基本サービスでは、書類を見られるのは、複合機と同じ社内ネットワークにある Windows パソコンからです。個人ごとのログインはなく、複合機ごとに共通のパスワードをかける形です。社外から見たり、利用者ごとにログインしたりするには、拡張サービスを追加します。

04 ── 機種を選ばない
いまの複合機のまま、機種を選ばずにクラウドへ
G DOCK は、スキャンしたファイルをメールで送れる複合機・FAX・スキャナなら、原則メーカーも機種も問いません。いまお使いの複合機の「スキャンの宛先」と「FAXの転送先」を変えるだけで、書類が Google のクラウドに届くようになります。新しい複合機もサーバーも、ネットワークの引き直しも要りません。
メーカーの違う複合機が拠点ごとに混在していても、書類はひとつの Google ドライブに集まります。全国50拠点・複合機150台の企業さまでも、新しく買った複合機は0台でした。
Apeos Cloud Extension は新しい Apeos の機能なので、使えるのはその複合機からです。保存先も富士フイルムのクラウドが中心で、他社のクラウドへの保存は、いまのところ OneDrive for Business に対応しています。
05 ── 容量
保存できる量も、必要なだけ増やせる
G DOCK の保存先は Google ドライブなので、容量は Google Workspace のプランを変えるだけで増やせます。スキャンする書類が増えても、複合機の台数を気にする必要はありません。
Apeos Cloud Extension の容量は、複合機1台あたり10GBです。拡張サービスを追加しても容量そのものは増えず、同じ会社の複合機の容量を合わせて使う形になります。
06 ── 書類の行き先
その複合機を手放したら、クラウドの書類はどうなる?
Apeos Cloud Extension は、複合機にクラウドの利用権がついている形です。では、7年がたったとき、あるいは複合機を入れ替えるとき、そこにためた書類はどうなるのでしょうか。
マニュアルによると、利用権がすべて切れて猶予期間が過ぎると、書類を置いている領域(テナント)は削除されます。書類を残したいなら、それまでに取り出しておく必要があります。複合機の契約と、書類の行き先を、セットで考えておくことになります。
G DOCK の書類は、はじめから御社の Google ドライブにあります。複合機を入れ替えても、メーカーを変えても、たとえ G DOCK の利用をやめても、Google を使い続ける限り、書類はそのまま残ります。複合機は何年かごとに替わるものですが、書類の置き場所は替わらない。そのほうが、10年先まで安心して書類を預けられると、私たちは考えています。

07 ── G DOCK で始めるなら
スキャンした書類を、Google のクラウドで整理したいなら
書類の名前のつけ方を自分たちで決めたい。見る人を細かく分けたい。複合機のメーカーに縛られたくない。そして、書類は Google に集めておきたい。ひとつでも当てはまるなら、G DOCK がお役に立てます。
G DOCK は、御社の書類と使い方を伺い、ご要望に合わせて名前のつけ方や仕分けを設計します。そのため、費用は書類の量やルールの内容に応じたお見積りでお出ししています。
- まずは標準の形で始めるなら:G DOCK AIファイリング。請求書・見積書・納品書・注文書など、よく使う書類の名前づけと仕分けを、スキャンもFAXもまとめて引き受けます
- 名前づけのルールまでしっかり作り込むなら:G DOCK 大規模処理向けカスタマイズがおすすめです。御社の書類の実物をもとに、AIの判断ルール、ファイル名の項目と順番、フォルダの分け方、見られる人まで、オーダーメイドで設計します。拠点が多い会社だけでなく、標準の型では足りないルールが必要な会社にも向いています
なお、新しい Apeos もスキャンやFAXをメールで送れる複合機なので、G DOCK と組み合わせることもできます。「複合機は Apeos、書類は Google に」という使い方も、ご相談ください。
秋葉原のショールームでは、実際に複合機でスキャンした書類が、名前のついたファイルとして Google ドライブに届く様子をご覧いただけます。
出典(2026年10月29日確認)
- Apeos Cloud Extension ユーザーガイド — 富士フイルムビジネスイノベーション 公開マニュアル
- Apeos C7072シリーズ 仕様 — 富士フイルムビジネスイノベーション
- Apeos C7072シリーズ 価格 — 富士フイルムビジネスイノベーション
- Apeos New Series 特設サイト — 富士フイルムビジネスイノベーション
※ Apeos は富士フイルムビジネスイノベーション株式会社の商標です。Google、Google ドライブ、Google Workspace、Gemini は Google LLC の商標です。
